暗記アプリAnkiは効果ある?約10年使って分かったメリット・デメリット
台湾で「面倒解決エンジニア」として活動している森田ユウゴです!
私は台湾在住のソフトウェアエンジニアです。「面倒くさい!」を原動力に、kintoneカスタマイズやChrome拡張機能開発などを通して、日常や業務の課題をテクノロジーで解決することに注力しています。
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暗記アプリAnkiは、理解した知識を覚え、繰り返し思い出すためには効果的です。一方で、内容を理解することや、問題を解くこと、実機を操作することまでAnkiだけで代替できるわけではありません。
私は2016年前後から約10年、資格試験や英語学習にAnkiを使ってきました。便利だから長く使っているのは事実ですが、Ankiだけで資格に合格できた、Ankiだけで英語力が伸びたとは考えていません。
この記事では、実際の資格学習でどのように使ったのかを示しながら、Ankiでできること、できないこと、向く人、挫折しやすい点まで整理します。導入する価値があるか判断したい方の参考になれば幸いです。
結論:Ankiは暗記と復習管理に効果がある
Ankiが得意なのは、覚えたい内容をカードにして思い出し、忘れやすさに応じて繰り返し復習することです。
- 覚えにくい内容へ復習時間を集中する
- 通勤や移動などの短い時間を復習に使う
- PCでカードを整備し、スマートフォンで復習する
- 文字だけでなく、画像や音声を使ったカードを作る
このような用途では、Ankiはとても頼れる道具です。しかし、カードの答えを覚えることと、内容を理解して応用できることは同じではありません。
私の場合は、公式資料を読む → 覚える内容をAnkiへ登録する → 復習する → 分からない点を公式資料や実機で確かめるというサイクルにしたことで、Ankiを学習全体の中で活かせました。
暗記アプリAnkiでできること・できないこと
Ankiでできること
Ankiでは、覚えたい情報を表裏のカードにして、自分で答えを思い出してから正解を確認します。回答後に難しさを選ぶと、その評価をもとに次の復習時期が調整されます。
紙の単語帳でも同じ内容は学べますが、「どのカードを、いつ復習するか」を毎回自分で管理しなくてよい点がAnkiの大きな利点です。復習対象が数百枚になっても、その日に表示されたカードへ集中できます。
Ankiだけではできないこと
Ankiは、まだ理解していない内容を自動的に理解させてくれるアプリではありません。また、長文を組み立てる、初見の問題を解く、コードを書く、実際の画面を操作するといった練習も別に必要です。
間違った内容をカードにすれば、その間違いを繰り返し覚えることにもなります。カードを作る前後に、公式資料や信頼できる教材へ戻って確認する工程は省けません。
Ankiの効果が期待できる理由
答えを見る前に思い出す
教材を読み返すだけではなく、答えを隠した状態で思い出そうとする方法は「検索練習」や「想起練習」と呼ばれます。Ankiも、カードの表を見てから自分で答えを思い出すことで、この学習方法を実行しやすくしています。
学校や教室で行われた研究を整理したレビューでも、検索練習はさまざまな条件で学習を支えることが報告されています。ただし、これは検索練習という学習方法の研究であり、特定のアプリを使えば必ず成績が上がるという意味ではありません。
復習の間隔を空ける
Anki公式マニュアルでは、能動的に思い出すことと、復習間隔を空けることが基本的な考え方として説明されています。覚えやすいカードの間隔は長くし、難しいカードは早めに再確認することで、すべてのカードを毎日見直す必要がなくなります。
重要なのは、常に最適な時期にカードが表示されると考えないことです。回答の付け方、カードの内容、設定、学習状況によって結果は変わります。Ankiは復習計画を助ける道具であって、記憶を保証する仕組みではありません。
約10年間Ankiを使い続けた3つの理由
1.学び方に合わせてカードを変えられる
資格の用語なら短い一問一答、語学なら音声、画面操作なら画像というように、覚える内容に合わせてカードを調整できます。私はエンジニアとしてHTMLやCSS、JavaScriptも使い、必要に応じてカードの表示や操作を変えてきました。
ただし、最初から高度なカスタマイズは必要ありません。まずは表に質問、裏に答えを書く基本カードから始め、困ったときだけ調整する方が継続しやすいです。
2.復習するカードを自動で絞り込める
枚数が増えるほど、「今日は何を復習するか」を決める作業が負担になります。Ankiを使うと、その日に表示されたカードを順番に進められるため、私は復習対象を選ぶことより、答えを思い出すことへ時間を使えました。
3.PCで整備し、スマートフォンで復習できる
文章の修正やカードの一括整理はPCで行い、日々の復習はスマートフォンで行う。この役割分担が、仕事と勉強を両立するときに便利でした。
AnkiWebを使えば複数端末でコレクションを同期できます。ただし、初回同期や競合時にはアップロードとダウンロードの選択によって片方の内容を上書きする可能性があります。同期前には、どちらを正として残すか確認してください。
資格学習で実践したAnkiの使い方
私が資格学習で繰り返してきたのは、次の流れです。
- 公式テキスト、ヘルプ、仕様書を読む
- 覚える必要がある用語や制限事項をカードにする
- 通勤や移動などの時間にAnkiで思い出す
- 曖昧な答えや疑問を公式資料で調べ直す
- 画面操作やコードが必要な内容は実機で試す
- 間違っていたカードを修正する
この中でAnkiが担当するのは主に3番です。1番と4番の確認、5番の実践が欠けると、カードの答えだけは言えても、試験や仕事で使えない知識になりかねません。
実際の資格・語学学習で感じた効果
kintone認定アソシエイト:20時間学習して76%で合格
kintone認定アソシエイトでは、約20時間学習し、正答率76%で合格しました。公式教材や練習問題を確認しながら、覚えにくい内容をAnkiへ登録して通勤中に復習しています。
kintone認定アソシエイトで実践した20時間の勉強内容は別記事で詳しく公開しています。
アプリデザインスペシャリスト:68%不合格から1週間後に93%
1回目は68%で不合格でした。そこで、kintoneヘルプを読み直し、見落としていた仕様や注釈をAnkiへ登録し、分からない点は実機でも確認しました。1週間後の2回目は93%で合格しています。
ここで効果があったと考えているのは、Ankiだけではなく、ヘルプの読み込み、Ankiでの復習、実機検証を組み合わせたことです。詳しい失敗と改善内容は、68%から93%へ改善した勉強法にまとめています。


カスタマイズスペシャリスト:745枚を作り、1か月学習して65%
kintone認定カスタマイズスペシャリストでは、APIの仕様や制限事項を中心に745枚のカードを作りました。約1か月、合計で約100時間を学習に使い、正答率65%で合格しています。
カードを作り過ぎた反省もあります。試験後に振り返ると、覚える必要性が低いカードも含まれていました。Ankiへ何でも入れるのではなく、理解や検索で対応する内容と、記憶しておく内容を分けることが重要です。

カスタマイズスペシャリストの学習時間とカード例では、実践検証を含む学習の内訳も紹介しています。
TOEIC:200点から450点になった経験は補助事例
社会人になってから受けたTOEICでは、200点から3か月後に450点になった公式記録があります。単語や文法の復習にAnkiを使いましたが、教材を使った学習も並行していました。
そのため、この250点の変化をAnkiだけの効果とは表現しません。Ankiは、英語学習全体の中で、覚えた内容を繰り返し確認する役割を担っていました。
実体験から分かったAnkiのメリット
苦手な内容へ時間を使いやすい
すぐ答えられるカードより、間違えるカードを多く復習できます。限られた勉強時間を、まだ覚えられていない内容へ配分しやすくなりました。
短い時間でも学習を再開しやすい
スマートフォンを開けば、その日の復習を1枚から始められます。まとまった勉強時間を確保できない日でも、通勤や待ち時間を復習へ使えました。
教材に合わせて文字・画像・音声を使える
専門用語は文字、画面の位置は画像、語学は音声というように、対象に合わせてカードを作れます。自分が間違えた理由に合わせてカードを直せることも、市販の固定された教材にはない利点です。
Ankiのデメリットと挫折しやすい点
カード作成そのものが目的になりやすい
見栄えや機能にこだわるほど、勉強よりカード作成へ時間を使ってしまいます。最初は一問一答で十分です。カードを凝らすのは、基本形では解決できない問題が見つかってからで構いません。
復習をためると負担が大きくなる
新しいカードを増やし過ぎると、後日の復習も増えます。毎日続けられる枚数から始め、復習が多過ぎると感じたら新規カードの追加を止めることが必要です。
カードの正解と実力を混同しやすい
同じカードへ何度も答えていると、質問文の形から正解を予測できることがあります。別の問題を解く、説明してみる、実際に操作するなど、カード外の確認を組み合わせてください。
初期設定と同期で迷うことがある
PC版、AnkiWeb、スマートフォン版の違いや、初回同期の選択は初心者が迷いやすい部分です。操作から確認したい場合は、Ankiの使い方完全ガイドを先に確認してください。
中学・高校・大学受験にもAnkiは使えるか
英単語、漢字、理科や社会の用語、公式など、思い出す練習が必要な内容には使えます。ただし、Ankiを使えば受験へ合格できる、子どもの成績が上がるとは断定できません。
私は親として子どもへAnkiを導入した経験はありません。相談サービスでは中学受験に関する相談を受けていますが、それを親子利用の成果実績として扱うこともしません。
保護者が支援する場合は、次の点を先に決めておくと運用しやすくなります。
- 何を覚えるために使うのか
- カードを誰が作り、間違いを誰が直すのか
- 1日に無理なく復習できる量はどの程度か
- 問題演習や記述練習を別に確保できているか
- 親子で同じ端末を使う場合、利用者ごとのプロフィールとAnkiWebアカウントを分けるか
Anki公式FAQでは、同じPCを複数人で使う場合は利用者ごとにプロフィールとAnkiWebアカウントを用意するよう案内されています。異なるプロフィールを同じAnkiWebアカウントへ同期すると、データを失う可能性があるため注意してください。
Ankiが向く人・向かない人
Ankiが向く人
- 覚える項目が多い資格や語学を学んでいる人
- 通勤や待ち時間を復習へ使いたい人
- 教材の内容を自分でカードへ整理できる人
- 少量でも継続して復習できる人
- 理解、演習、実践と暗記を分けて考えられる人
Ankiが向かない人
- アプリが内容を自動で教えてくれることを期待している人
- カードを作る時間を確保できず、利用できる教材もない人
- 復習より、新しい問題を大量に解くことが中心の人
- 毎日の復習通知や未消化枚数が強い負担になる人
- 設定や同期へ時間を使いたくない人
向かない条件に当てはまっても、紙の単語帳や既製教材の方が自分に合うのであれば、それで問題ありません。Ankiを使うこと自体が目的ではなく、学びたい内容を身につけることが目的です。
Ankiの効果に関するよくある質問
Ankiへ登録すれば覚えられますか?
登録しただけでは覚えられません。答えを見る前に思い出し、継続して復習する必要があります。理解できていないカードは、教材へ戻って確認してください。
1日に何枚やれば効果がありますか?
全員に共通する正解はありません。学習時間、カードの難しさ、既存の復習量で変わります。最初は少ない新規カードから始め、翌日以降の復習を無理なく消化できる範囲で調整してください。
スマートフォンだけでも使えますか?
復習や簡単なカード作成はできます。ただし、カードを大量に編集する、画像や音声を整理する、複雑なテンプレートを調整するといった作業はPCの方が進めやすいと私は感じています。
Ankiと問題集はどちらを使うべきですか?
役割が異なるため、必要なら両方使います。問題集で理解度や応用力を確認し、繰り返し覚える必要がある内容をAnkiへ移す方法が現実的です。
まとめ:Ankiを暗記以外の学習と組み合わせる
Ankiは、理解済みの知識を思い出し、間隔を空けて復習するために役立ちます。約10年使ってきた私にとって、カスタマイズ性、復習管理、PCとスマートフォンの連携が一体になっていることが、使い続ける理由です。
一方で、Ankiは理解、問題演習、記述、実機操作の代わりにはなりません。公式資料を読み、必要な知識をカードにし、復習後にもう一度資料や実機へ戻る。この流れの中で使うことをおすすめします。
これからAnkiを始める方は、インストール、アカウント登録、カード作成、復習方法をまとめたAnkiの使い方完全ガイドへ進んでください。
自分や子どもの学習内容に合わせた設定、カード設計、復習方法を一人で整理するのが難しい場合は、Anki・AnkiDroid相談サービスも案内しています。まずは完全ガイドを試し、解決できない部分がある場合にご検討ください。
スキルプラットフォーム「ココナラ」では、Ankiのカスタマイズを私「森田ユウゴ」に依頼ができます!
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森田ユウゴのプロフィール | ココナラ
Ankiユーザーでもあり、「面倒解決エンジニア」の私にご依頼をお待ちしております!
参考資料
- Anki Manual「Background」(能動的想起と間隔反復)
- Anki Manual「Syncing with AnkiWeb」(端末間同期と競合時の注意)
- Anki FAQs「Synchronizing multiple profiles」(複数利用者のプロフィールとアカウント)
- Agarwal, Nunes, & Blunt (2021), Retrieval Practice Consistently Benefits Student Learning
森田ユウゴ

